四.
「先生、あんたが代わりに見せてくれてもいいんだよ」とリーダー格の友里恵が提案した。
「賛成」何人かの女たちが手を上げた。
「このまま、まどかがいじめられてもいいの?教師だったら助ける義務があるんじゃないの?」と問いかける。
「そ、それは……」
奈津は思わず言いよどんだ。無理もない。この美しい女教師はこの歳になるまで、たとえ親友とでさえオナニーの話題などしたことがなかったのである。
「まさか、先生。オナニー、やったことないんじゃないの?」と史佳がからかうような声を出した。
奈津は赤面して黙った。月に数回程度であったが、自分の肉体を密かに慰めていたのである。だが、その秘密を明らかにするわけにはいかなかった。
「先生、オナニーやったことあるだろ」
工藤友里恵のあからさまな言葉に、美教師は激しく否定した。身をよじらせている。
「うそだよ、絶対!」部屋の中がどっと沸いた。
「先生がやらないというのなら、それでもいいけど。だけど、まどかにやらせるからね。やっぱり先生も自分の身がかわいいのね。早く部屋から出て行ってよ」
彼女はそう言って、奈津を部屋の外へと押し出そうとする。
「そんなことない。私は教師よ。司さんを助ける義務があるわ」
奈津は友里恵の力に抗った。
「じゃあ、どうするんだよ。まどかを助けたければ、私達の前でオナニー見せるんだね」
友里恵の語調が高まった。
まどかは、畳の上に跪いたまま両手で胸を覆い、教師の方に哀れみを乞うような視線を送っている。
美教師は一瞬沈黙したが、まどかを見捨てることはできなかった。
「わかったわ……。だけど、他の生徒には秘密にしてね」
奈津が友里恵に告げると、不良女たちがどっと沸いた。
「はい、先生。ここに寝転んでよ」
淫靡な視線を発している猛獣たちが和室の真ん中に座布団を無雑作に並べた。
奈津は羞恥で顔を真っ赤にしながらも、ジャージ姿のままでそこに仰向けになった。
「てめえ、服、脱がないのかよ」と赤石早紀が吠えるように言った。
「服脱がなくても、できるでしょ……」
可憐な女教師は下のジャージの股間のところを指で摩擦するようにして動かす。
「そんなんじゃ分かんないよ」
ボスが怒ったように言うと、不良女たちが寄ってたかって、奈津の下のジャージを引っ張る。ジャージが伸びて、教師の可愛い悲鳴が漏れた。それが不良たちの加虐心をますます駆り立てる。
「お、お願いだから、やめてよ。脱ぐなんて約束していない!」
奈津は片手でしっかりとジャージを抑えながら、友里恵を睨む。普段、大人しい奈津にしては珍しいほどの態度である。やはり、教師としての誇りであろうか。
「わかったよ。ジャージは全部脱がさないからさ。パンツの上からアソコを刺激してみてよ」と友里恵が言った。
「わかったわ」
羞恥心で顔を真っ赤にした教師は、膝の下までひき下ろされたジャージをそのままにして、下着の上から股間に指を這わせていく。同性とはいえ女の子達の前に、下着の上からとはいえ、割れ目をこすって見せるのは恥ずかしい。
(わ、私、何しているのかしら……。教師なのに)
目を瞑っている奈津を不良女達は口々に批評している。
五.
「本気でやらないと後がこわいからね、先生」
早紀が奈津の美しい形をした耳に息を吹きかけるようにして言う。
(あああ、恥ずかしい……)
奈津にはオナニーの経験があったが、オナニーにはものすごい罪悪感を覚えていた。それが今や教師でありながら、不良たちの目の前で、痴態を晒しているのである。
「先生って、かわいい」
島田史佳が奈津の頬を指で突いた。
奈津は、目をつぶって割れ目を指で擦っている。
彼女達がジュースを飲む音や、携帯で撮影する音が聞こえる。
「写真撮るのはやめてよ」
美教師は声を荒げたが、女の子たちは笑っているだけである。
「先生、いやならやめてもいいのよ。まどかにやらせるからね」
友里恵の言葉に可憐な教師は反論できない。
「先生、なかなかうまいじゃん」
「しっかり擦ってね、キャハハ」
「もっと割れ目をこすってよ。あと、ここもね」
友里恵が下着の下でうごめく熱いボタンをボールペンの先でつついた。
「あっはーん」
奈津は敏感な部分をなぶられ、思わず甘い吐息を上げると、不良たちが調子付いた。
「あれ?先生、もしかして感じてるの?」
「そんなことありません」
教師は目を閉じたまま、激しく首を振った。
「でも、股間のところ、濡れてきてるよ」
「うそよ」
奈津は口では否定したものの、指が湿り気を帯びてきているのを感じた。
「おい、まどか。見てみなよ」
不良女達はいじめられっこの肩に手をかけながら、痴態をさらしている美教師の横に座らせた。
「まどか。お前はいつもこんな恥ずかしいことをしているんだよ」
史佳が奈津の指の動かし方などをまどかに言い聞かせていた。いじめられっこのオナニーと教師のとを比べているのだ。
(あああ……。恥ずかしい)
奈津の目から涙がこぼれそうになるが、泣いたらみじめになるだけである。
「やっぱり、大人のオナニーはすごいね。見ているこっちまで恥ずかしいよ」
ずっとお嬢さんとして育った奈津にはオナニーをやらせるいじめがこの世に実在するなんて想像すらできなかった。
「せ、先生ったら、指を休めないの」
友里恵が平手で美教師の頭をはたいた。
「でも、オナニーいじめって、いつ見ても面白いわね」
「ほんとほんと」
「あたし、大人のオナニーって初めて見たよ」
「結構、かわいいよね」
容赦なく生徒達は女教師を見下ろしながら、口々に批評する。
「いじめられっこなんて単なる消耗品にすぎないからね」と友里恵が言い放つ。
(い、いじめられっこが強制オナニーで無残にも濡らした股間も、いじめっこにとっては、単なる話しのネタにしかすぎないというわけね。ヒドイ…。ひどすぎるわよ)
奈津は怒りを覚えた。ただ、なんとこっけいであろうか。
「おい、まどか。お前、ここ、触ってみろ」
早紀がまどかの右手をとって、まどかの指先を奈津の最も敏感な部分に当てた。
「あ、ああーん」
いじめられっこと化した女は甘い吐息を放つ。
六.
「ねえ、そろそろパンツ脱ごうよ」
友里恵が傲然と言った。友里恵の目にはパンツの布が愛液でにじんできたのが見える。
「ねえ、いいでしょう、なっちゃん」
「せ、先生って呼びなさい」
名前を呼ばれたことに奈津は怒ってみせたが、不良女達を喜ばせるだけである。
「さあ、脱がすよ」
友里恵が女教師の下着に手をかけた。
「や、やめなさい」
奈津はあわてて下着を抑える。だが、その抵抗もむなしい。たちまち、他の不良たちに両手を押さえつけられ、足も友里恵の膝で止められた。友里恵は格闘技の経験があるだけあって、的確に生贄の動きを封じている。
「さあ、いくよ」
そう言って、彼女は奈津の下着を膝下まで押し下げていく。
「あらら、お毛毛が丸見え」
「先生、毛が薄いね」
「でも、そのほうが可愛いじゃない」
奈津は惨めにも陰毛を晒すことになる。
友里恵はいじめのエキスパートである。生贄をこのように辱めるのはなんとも楽しい。この美しい教師の陰毛が想像していたのと違って、下にうごめく肉肌が見えるほど薄いのは意外であった。黒々とした豊かな黒髪を自慢するかのように颯爽と翻していた奈津先生にしては、この陰毛の薄さは意外なコントラストであった。
「でかいクリ○リスだね」
「ほんとほんと。でも、ビラビラも大きいね」
「クリちゃん、かわいい。ピンク色してるよ」
早紀がからかうように奈津の敏感な部分を指で弾くと、美教師の美しいピンク色の突起物は、刺激に耐え切れず、ひょこっと顔をだした形になってきた。
「なっちゃんも、とうとういじめられっこになったんだね」
早紀が言うと、周りがどっと笑った。
「生徒にいじめられなんてみじめよね、先生のくせに」
屈辱のあまり奈津の長い睫毛は痙攣するかのようにうごめき、涙を流すまいとあえてきつく目を閉じている。
「いいから、オナニーの続きをやってよ」
年下のいじめっこが25歳のいじめられっこの乳房のあたりをジャージの上からはたいた。
思えば、何というこっけいな格好をしているのか。上はきちんとジャージを着ているのに、下のジャージは下着も一緒に膝下まで下ろされているのであるから。
「うひょー、濡れてきてるよ。かっこわるいね」
「生徒にいじめられて、オナニーやらされるなんて、教師失格よ」
「どうせ、こいつは教師って言っても、見習いみたいなもんだから。だって、授業だって、ちょっと突っ込んだ質問すると答えられないでしょ」
「そうだよね、ぎゃははは」
容赦のない嘲笑に、奈津は、身を引き裂かれるかのように感じて、再び激しく睫毛をしばたたかせた。
「もっと早く指を動かしてよ」
「がんばれ、なっちゃん」
不良女達の言葉に美教師の肉体がいやらしく反応する。
「ああああー、あああ」
奈津は動物の咆哮のような声を上げて、生徒達の前でみじめにも果てたのであった。
七.
「こいつ、教師のくせにイッてやがんの」
「ばっかみたい」
史佳が嘲笑しながら、奈津の淫乱ぶりをなじると、付和雷同ばかりしている子分格の不良たちが同調した。
不良達の残酷な乾いた笑いが、教師の自尊心を粉みじんに砕いた。もはや教壇に立って、生徒たちを指導していくことができるのであろうか?
「なっちゃん、恥ずかしい写真、いっぱいとったからね。もう私たちには逆らえないからね。わかった?」
工藤友里恵は片手で携帯電話を振り回すようにしながら、奈津の目を見据えるようにして言った。
「先生って言いなさい」
奈津は怒った顔をして、上半身を起き上がらせると、友里恵の手を振り払った。だが、不良たちはかえって冷笑するだけである。
「ねえ、そろそろ○*@〜*が始まるよ」
「えー。もうそんな時間なの?」
「見たい、見たい」
不良の一人が言うと、何人かが同調した。
「先生、あたしたちはこれからテレビ見るから、もう自分のお部屋に帰ってちょうだい」
友里恵が言った。
彼女たちが楽しみにしているお笑い番組がこれから始まるのである。
「じゃまだから早く出て行ってよ。じゃまじゃま!」
友里恵が足蹴をするかのように、奈津を追い出した。
美教師はジャージの乱れを直すと、そそくさと部屋を後にした。背中の後ろで女の子たちの恥じらいのない笑い声が響いた。早くこの場所から離れたかった。思い切り自分の部屋で泣いてしまいたかった。あまりにも惨めである。
部屋に戻ると、まだ同室の麻奈美先生は外出から戻っていなかった。
奈津は布団を頭からかぶった。涙がとめどなく溢れた。
しばらくして、麻奈美が戻ってきた。お土産をいっぱい買ったのか、紙袋をどさっと畳に落とす音がした。
「あらあ、仁科先生。もう寝ちゃったの?」
珍しく酒気を帯びているのか、いつになくテンションがハイになった化学教師は布団に丸まっている奈津をふざけるようにしてたたいたが、涙にまみれた教師は布団から顔を出す気になれなかった。
「あらら。今日は外出もできずに、ずっとホテルで仕事していたのね、ご苦労様です。せっかく東京に来たのに、かわいそうだね、可愛い子ちゃん」
30代の先輩教師は何やらつぶやくと、シャワー室へと入っていった
屈辱の夜はひどく長く感じた。頭が冴えてまったく眠気が来ない。
奈津は全てのことが夢ではなかろうかと思いたかった。隣では麻奈美先生がすやすや寝息を立てている。
奈津は頭がひどく重くなったように感じていた。結局、一睡もできなかったのである。