リサ校長の場合〜プロローグ〜
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私はこの学園の王様だった。
私、蛭田淳二は、教頭という立場ながら、この学園の全てを掌握していた。
なぜなら、理事長兼校長の宮崎は、学校経営に関してはほとんど私にまかせっきりで、最近、入院してからは、私が事実上の校長の様に振舞う事が出来た。
もし、ここが私の学園であれば、もっと丁寧な経営をしたであろうが、所詮は借り物である。かなり無茶なやりたい放題をしていた。
まさしく暴君のごとく振舞っていたのだった。
しかし、ある日突然、私の自由気ままな生活が一変した。宮崎校長が急死したのだ。
しかも、新しい校長として、宮崎の一人娘が赴任してくるという。
だからといって、私は手に入れた権力を手放す気はなかった。小娘一人やってきても、上手く丸め込んで校長の席に押し込み「私の学園」を守るつもりだった。
今までも、色んな危機を乗り切って来た私だ。自信はあった。
今日、新しい校長がやってくると言う。手の空いている教職員は私と共に学校の玄関まで出迎える事にした。最初のうちにおだてて、持ち上げておけば、扱いやすくなるだろう。このとき私はまだ彼女の顔を見たことがなかった。
やがて、生意気にも黒い高級外車が静かな音をたて、我々の前に止まりドアが開いて姿を現す。
私は、彼女の凛とした佇まいに、不覚にも圧倒されてしまった!
彼女の名前は宮崎リサといった。
噂には聞いていたが、ハーフらしい。髪はほとんどブロンドといっていい、日本人離れした色をしていた。高い鼻とパッチリしたややキツめの瞳が輝いている。30代と聞いていたが、小娘といった表現が当てはまらないしっとりと落ち着いた大人の雰囲気がある。いかにも頭の切れそうなきりっとした眉と、反比例してポッテリしたふくよかな唇に色香がある。スーツに包まれた女体は抜群のプロポーションで、タイトスカートからはスラリと長い脚を黒いストッキングに包んでいた!
職員一同は、リサの、まるでファッション誌かハリウッド映画から飛び出してきたかのような美しさに見とれてしまっていた。もちろん私もだった。
ハッと我に返り、教頭として慇懃に、新しい校長に挨拶をした。
リサは輝くような笑顔で私に答えた。そしてその場にいた職員一人一人に丁寧に声を掛けていく。
その姿に私は彼女に対する認識を新たにした。リサはただのお嬢様ではない。高貴な容貌から、もっとツンツンしたプライドの高いハイミスかと思いきや、なかなか世辞にも長けている。こういうフレンドリーなところは、長年の海外生活の所為かもしれないが、ただそれだけではないことはすぐに分かった。彼女は彼女なりに真面目に学園を切り盛りしようと言う意気込みがあった。
私は、ゾッとした。リサが真面目に学園にかかわるとすれば、私にとってはまずい事がたくさんある。リサはかなりの切れ者でもあり、そう簡単に篭絡できるだろうか?
いや、そうしなければならない。もし、私がこの学園で行った悪事の一つでもバレれば、私の人生自体が終わってしまう。私は、全知全能を使ってリサを攻略する覚悟をしなければならなかった。